コスト削減のために使える機能を使用する


 一般的なオープンソース(OSS)の業務アプリケーションの特徴と、そのメリットとデメリットを理解して頂いたところで、具体的にどのようにオープンソースのERPを活用すれば良いのか、そのアイディアをいくつかご紹介致します。オープンソースのERPの活用のヒントになれば幸いです。

 


 

 私たちが提供するソリューションの手段として使用する「iDempiereアイデンピエレ)」は、オープンソースのERPとして非常に多くの機能を有しています。 iDempiereはERPですので、ERPとして活用する事がユーザー企業にとって一番大きなメリットになりますが、ERPとして利用する場合、ERPならでは導入の難しさがあります。その難しさは多くの場合システム的な要素というよりも人的な要素であるため、どのERPを選択してもあまり変わらないでしょう。

 iDempiereはERPですが、無理にERPとして使用する必要はありません。無料で使用できるオープンソースという特長を活かして、販売管理システムとして使用したり、会計システムとして使用したりと、導入メリットが出る部分の機能だけを使用する事ができます。

 ERPとしてだけではなく、コスト削減のために使える機能を使用するというスタンスで活用法を考えると、iDempiereの活用の幅は広がって行きます。

販売管理システムとして活用する

 日本でこれまで導入されてきたオープンソースのERP(CompiereADempiereiDempiere)の活用方法として一番多いのは私たちの経験上、販売管理システムです。

 販売管理システムは、会社の競争力に直結する重要なシステムであり、業界や会社毎に大きく異なります。既存の商用パッケージソフトでは、満足の行く販売管理システムの構築は難しく、そのためオープンソースのERPをベースにカスタマイズして販売管理システムを構築することを選択される企業も多いのです。

コスト削減のために使える機能を使用する‐販売管理システムとして使用するケース
コスト削減のために使える機能を使用する‐販売管理システムとして使用するケース

活用範囲はアイディアとスキル次第

 私たちが提供するソリューションのコアとして使用している「iDempiereアイデンピエレ)」は、GPLver2のライセンスのもと、自由に活用する事ができます。その活用範囲はアイディアとスキル次第です。既成概念にとらわれず活用して行きましょう!

 次に、活用のアイディアの例として2つ紹介します。

五伝票制の会計システムの構築

 iDempiereは、会計管理(財務会計&管理会計)の機能だけでも会計システムとして使用する事ができますが、販売管理と購買管理の伝票を活用する事により、債権/債務の消込管理も行える五伝票制の伝票会計的な会計システムを構築する事ができます。

小規模のコールセンターのシステム構築

 私たちが提供するソリューションの手段として使用する「iDempiere(アイデンピエレ)」には、CRMの機能のひとつとして、顧客からの問い合わせを管理するリクエスト管理という機能があります。このリクエスト管理機能を活用する事で、小規模なコールセンターを運用していく事も可能です。

コスト削減のために使える機能を使用する
コスト削減のために使える機能を使用する

コストはTCO(Total Cost Operation/Ownership)で考える

 単純に既に実装されている標準機能で、有名商用ERPとオープンソースのERPを比較するのであれば、有名商用ERPの方が色々な機能が備わっている事でしょう。ただ、有名商用ERPの場合は使用していない機能に対しても多くの費用を支払っていると考える事もできます。

 オープンソースのERPは、自由にカスタマイズできる事が大きなメリット(特長)であり、足りない機能は自分達で開発する事が前提とも言えます。そのため比較するのであれば、必要な機能は追加開発するという前提で、TCO(Total Cost Operation/Ownership)の観点で比較検討すべきです。

コスト面でのiDempiereの優位性

ライセンス料が無料

 システムを構成するソフトウェアは、オープンソースのものを選択すれば、ライセンス料はすべて”無料”の構成とする事もできます。ライセンス料は一般的にシステムを使用している間は支払わなければいけませんので、ライセンス料が"無料"である事は、システムの使用期間が長ければ長くなるほど、コスト削減効果が大きくなります。

iDempiereはすべてオープンソースで構築する事ができます。

開発生産性が高いので開発工数が少なくて済む 

 iDempiereは、プラグイン構造による拡張性の高さと、モデル駆動アーキテクチャとシステムを動かすためのメタデータを持つ"アプリケーション辞書"により、柔軟性と開発生産性の高さが自慢です。

 オープンソースとして世界中の人々が開発に参加するのは、有用性がありシステムアーキテクチャが優れている証拠です。この洗練されたシステムアーキテクチャが複雑な業務システムの実装を支えています。

コストを抑えるためのカスタマイズのポイント

既存機能を上手に活用する

既存機能を上手に活用する事が、開発工数の削減及びトラブル防止にもつながります。

 

エンジンとなるコアな部分のプログラムを修正する際には細心の注意を払う

 エンジンと呼ばれるコアとなるプログラムは影響範囲が大きいので、修正する際には、細心の注意が必要です。できれば、エンジンプログラムは修正せずに導入する事を推奨します。iDempiereは通常、エンジンプログラムは修正する事無く導入する事ができるようになっています。

 

業務をシステムに合わせることも検討する

 オープンソースなの自由にカスタマイズできるといっても、予算の関係上、やりたい事をすべて実装できるわけではありません。時には、業務をシステムに合わせてもらう事も必要です。オープンソースのERPでは、業務をシステムに合わせる部分とカスタマイズする部分を区分する基準が大切になってきます。

予算内でどこまでできるか検討する

 iDempiereはライセンス料は"無料"ですので、予算に応じたシステム導入が可能です‼そのためiDempiereでは特に予算内でどこまでできるか検討するアプローチは大切です。

予算内でどこまでできるか検討する
予算内でどこまでできるか検討する

コスト面でのJPiereの必要性

 JPiere(ジェイピエール)は、オープンソースのERP iDempiere(アイデンピエレ)のプラグイン群であり、日本の商習慣に対応させたディストリビューション(頒布形態)です。iDempiereを日本の商習慣に対応させるだけでなく、操作を補助するユーティリティーやオリジナルのレポート、バッチ処理などiDempiereを拡張する多くの機能を1つのパッケージにして提供しています。

 一般的にERPは、どの企業でも使えるように機能は汎用的に作られています。そのためERPの導入作業は、その汎用的に作られている機能を、ユーザー企業が使いやすいように特化させていく作業とも言えます。

 どのようなERPを選択しても、機能が汎用的に作られているパッケージシステムである以上は、ERPが提供している機能と企業が必要とする機能には多かれ少なかれGAP(ギャップ)があり、そのギャップを埋めるカスタマイズが必要になります。

 JPiereでは、iDempiereを一般的な日本企業で導入する際にギャップとなる部分を洗い出し、そのギャップを埋めるカスタマイズを実施しています。

 JPiereを利用することで、iDempiereを一般的な日本企業で導入する際に、ギャップとなる部分が少なくなり、その分開発工数を削減する事ができ、導入時のコストを抑える事ができます。

JPiereのコスト面での優位性

 企業がERPを導入する際に初期の段階で、ERPが提供している機能と導入企業が必要とする機能がどのくらい適合しているか分析します(Fit&Gap分析)。導入企業が必要とする機能が、どのくらい適合(Fit)するかはケースバイケースですが、JPiereは、一般的な日本企業に必要とされる機能を中心に開発していますので、iDempiereを素の状態から導入するより、適合率が高くなり低コストな導入が可能です。