OSSの業務アプリケーションの特徴を理解する


 オープンソース(OSS)の業務アプリケーションを活用するためには、まずはその特徴を理解する必要があります。その特徴は"オープンソース"、"業務アプリケーション"、"パッケージ"の3つのキーワードに集約されます。

"パッケージ"の"業務アプリケーション"は企業毎にカスタマイズが必要となる

カスタマイズが必要となる業務アプリケーション

 同じオープンソースでもLinuxなどのOSやPostgreSQLなどのミドルウェアは、ユーザー企業の要件に応じたチューニング作業はあっても、ソースコードを追加・修正するような開発を伴うカスタマイズを行うことはほとんど無いでしょう。 しかし、オープンソースの業務アプリケーションはユーザー企業の要件に応じて開発を伴うカスタマイズが必要になってきます。

 オープンソースかどうかに関わらず一般的にパッケージの業務アプリケーションは、多くの企業で使えるように機能が汎用的に作られています。その汎用的に作られた機能でユーザー企業の要件を満たせない場合、開発を伴うスタマイズが必要になります。

 特定の業界や特定の業務に特化したパッケージの業務アプリケーションであれば、開発を伴うカスタマイズが不要な場合もありますが、ユーザー企業にはそれぞれに固有の要件がある事が多いので、パッケージの業務アプリケーションをユーザー企業の要件に合うようにスタマイズすることは、オープンソースかどうかに関わらず、よく行われていることです。

 ユーザー企業の要件に合うように開発を伴うカスタマイズが必要となるのが業務アプリケーションと、オペレーティングシステムやミドルウェアとの大きな違いです。

ERPのカスタマイズは汎用的に作られている機能をユーザー企業に合うように特化させること!

 ERPのようにどのような企業でも使用できるように機能が汎用的に作られており、カバーする業務範囲が広範囲な業務アプリケーションパッケージでは、その導入の際に行うカスタマイズの多くは、汎用的に作られている機能を、特定の企業で使いやすいように特化させる事とも言えるでしょう。

 そのためユーザー企業にシステムの導入を請け負うシステムインテグレーター(SIer)には、既存機能の使用方法を把握し、ユーザー企業の要件に合わない場合は、その要件に合わせるための適切なカスタマイズ手法を判断できる能力が必要となります。

"オープンソース"ならではのカスタマイズ手法と導入手法

カスタマイズが自由なオープソースの業務アプリケーション

 同じオープンソースでもLinuxなどのOSやPostgreSQLなどのミドルウェアでは、ソースコードを修正して使用するような事は通常はありませんので、インストールすればすぐに使える状態です。

 LinuxやPostgreSQLのように、インストールしてすぐに使えるのが当たり前のように思っている方は、業務アプリケーションの場合は"システムが動くこと"と、"システムが使える状態であること"は同義ではないことに注意する必要があります。

 既に述べている通り、業務アプリケーションはユーザー企業の業務に合うようにカスタマイズする必要がありますので、インストールすればシステムは動きますが、カスタマイズしないと使える状態にはならないのです。

 そういった意味では、OSやミドルウェアに該当するソフトウェアは、オープンソースというよりも無料で使用できるということの方が一般ユーザーにとっては意義が大きいことでしょう。 そしてオープンソース本来のメリットである、ソースコードを自由に修正できるという魅力は、業務アプリケーションにこそ発揮されると言えるでしょう。

 オープンソースはソースコードを追加・修正し、自由にカスタマイズが行えるのが本来のメリットであり大きな魅力です。このカスタマイズの自由度は既存のパッケージソフトにはないオープンソースの特徴です。

 そして、カスタマイズの自由度が高いからこそ、より一層適切なカスタマイズ手法を判断する能力がSIerには必要となります。

ウォーターフォールモデルの導入手法が最適とは限らないオープンソースの業務アプリケーションの導入手法

 業務アプリケーションの導入プロジェクトの多くはウォーターフォールモデルの導入手法を採用するケースが多いのではないでしょうか。もちろん、ウォーターフォールモデルの導入手法は、オープンソースの業務アプリケーションでも有効です。

 しかし、私たちはオープンソースのERPを"素早く"、"定コスト"で導入するために、ウォーターフォールモデル以外の導入手法も検討する価値があるのではないかと考えています。

 私たちがソリューションのコアとしているiDempiereアイデンピエレ)は、パラメータ設定だけでも多くのカスタマイズが行え、開発生産性が高いのが大きな特徴の1つです。その特徴を活かして、アジャイルと分類されるような導入手法も可能です。

 要件定義の段階から、ユーザー企業の要件にあうようにパラメータ設定でできるカスタマイズはその場で行い、実際に動くシステムを見て具体的なイメージを共有する事により、手戻りのリスクを最小限に抑えた"素早く"、"定コスト"な導入が可能なのです。